パイプオルガンの移設と募金

今朝の「河北新報」に本学礼拝堂のパイプオルガンの移設と募金の記事が大きく掲載された。当事者としては、パイプオルガンが放つ反響音の大きさに驚いている。事の発端は、2023年4月に供用を開始する五橋新キャンパスの「押川記念ホール」(千人収容)に設置するパイプオルガンである。これについては、移転により学生がいなくなる泉キャンパス礼拝堂に設置されているフランスのアルフレッド・ケルン社製パイプオルガン(パイプ総数3486本)を移設することになっていた。問題は、やはり移転により学生がいなくなる多賀城キャンパスの礼拝堂にあるドイツのシュッケ社製パイプオルガン(パイプ総数1905本)をどうするかであった。八方手を尽くして他に移設先を求めたが、こちらも結局、玉突きではないが、東北学院榴ケ岡高校の傍にあり、市民にも利用される泉キャンパス礼拝堂に移設することになった。

(泉キャンパス礼拝堂から押川記念ホールに移設するアルフレッド・ケルン社製のパイプオルガン)

 

パイプオルガンは奏でれば奏でるほど聖なる音色が出るという。欧米においては数百年間使われることも珍しくない。しかも、会衆賛美が大切にされるプロテスタントの礼拝においては中心となる楽器である。すなわち、キリスト教による人格教育を建学の精神とする東北学院大学において、大切な楽器であり、これまで何万人もの学院の学生、教職員の耳に響き渡り、音色という目には見えない世界を通じて、それぞれの心の中に豊かな心象風景を作り出してきたことを考えれば、理にかなった選択だといえる。

(多賀城キャンパス礼拝堂から泉キャンパス礼拝堂に移設するドイツのシュッケ社製パイプオルガン)

 

パイプオルガン移設による解体・組み立てはすべてオルガン職人の手作業によってなされ、費用も掛かる。それを出来たら、私立学校として建学の精神を大切し、自主性と公共性を重んじるが故に多くの人々の寄付によって賄いたい。寄付は大学の内外から募り、寄付者には、世界的なオルガニストである今井奈緒子本学教養学部教授によるこけら落としコンサートに招待しようとの趣旨である。「名工ダニエル・ケルンが日本で初めて製作した物。豊潤で明るい音色が特徴でバロックから現代作品まで理想的に演奏できる」ケルン社製のオルガンの音色と「押川記念ホール」の音響効果を是非とも堪能していただきたい。(詳しくは、東北学院財務部財務課022-264-6467に連絡してほしい)。