東北学院幼稚園の感謝祭礼拝
今日は、院長として、東北学院幼稚園の感謝祭礼拝のメッセージを担当した。感謝祭とは、1620年にメイフラワー号にて、信教の自由の地を求めて、オランダからアメリカに渡ったイギリス人ピューリタンにまつわる物語に由来する。ピューリタン(最近の研究ではもちろん全員ピューリタンであったわけではない)移民は、カリブ諸島とは異なり、寒冷地の北米では、到着当初食糧を手に入れることが出来ずに病気や飢えで多くの犠牲者を出した。その際、アメリカ先住民から穀物の種をもらい、栽培法を教わり、収穫を神に感謝し、先住民と食卓を共にしたという物語である。
(園児の全員が入場し、島内園長の両脇には野菜や果物が並べられている)
この物語から、園児たちには、神に感謝することによって、収穫や勤労の大切さ、そして、人種や国籍をこえて収穫を共に分かち合うことの大切さを伝えるのが私の役割である。どう伝えたら園児たちに伝わるのだろう。私は、具体的にイメージできるように物語の展開を3枚の絵にして、それを用いて説明した。今年は、オリンピックが開催されたせいか、園児たちは国旗をみるとすぐさま国名を答えてくれた。まさに興味や関心が園児たちの知識を広げるのである。「自由」という抽象的な概念はさすがに伝わらない。「自由ってなーに」と聞かれたので、「それはね、いじめられないことだよ」と「消極的自由」の概念を分かりやすい言葉に置き換えたら、「うーん」とうなずいてくれた。
(絵を通じて、園児との双方向のコミュニケーションが活発化する)
本当に幼稚園の教育は、人間の生き方の根本をひとつ、ひとつ丁寧に教えることだという教育の基本に気づかせてくれる。今年の感謝祭は、実に稔り多き感謝祭であった。
(前列は年少組で、とにかく手を挙げたがる。後列の年長組は静かだが、相応の答えを考えているという)