学問のススメ:忙しい社会人へーポストコロナ時代のハイブリッド授業型大学院ー

社会の発展とともに、知識集約型社会に突入し、高等教育の重要性が叫ばれている。いまや、大学教育の大衆化により、地域差があるものの日本は18歳人口の半数近くが大学に進学する時代を迎えている。しかしながら、就職してみて気づくことだが、学生時代に漠然と学んだことの重要性を痛感して、学び直したいと思っても仕事に追われて時間がないという人や、専門的知識を身に着け、資格を取得して、キャリアアップしたいのに、なかなか専門的知識を修得する機会がないという人は、実際のところ、かなり多いのではないだろうか。

(本館横の大学院棟。2023年度より大学院工学研究科、人間情報学研究科も都心の五橋・土樋キャンパスに集約される)

 

大学は、初学者である18歳人口のためにだけあるのではない。高度な専門的知識が求められる知識集約型社会の要請に応えていかなければならないのである。東北学院大学は、コロナ禍の2020年度にオンラインによる遠隔型授業の実施を余儀なくされた。その経験から少人数対象の大学院教育においては、来年度から、遠隔授業を今後とも継続していくことになり、授業のうち、講義科目はすべての授業を遠隔において出席することはもちろん、論文指導の演習科目においても、対面での出席が半分程度でも許可することになった。現在でも、社会人院生が出席しやすいように、退社後の6時間目の開講、土曜日の開講などの配慮がなされているが、来年度からのハイブリッド授業の開始によって、多忙な社会人院生にとって、勤務先や遠隔地の出張先、さらには仙台から離れた居住地から授業に出席することが可能となったのである。

(総合研究棟にある大学院生の勉強机。院生になれば、共同研究室であるが、机を一つあてがわれ、勉学に集中することが出来る)

 

また仕事と研究を両立させるために、社会人院生には、希望すれば、入学時に指導教授と研究計画を相談の上、修士課程の修業年限2年のところを最大4年に、博士課程の修業年限3年を最大6年まで延長して履修できる長期履修制度を適用する。その場合、授業料は、本来の修業年限の修士2年、博士3年分を、修士最大4分割、博士最大6分割することになり、毎年の支払額を低く抑えることが出来るようになった。来年度からのハイブリッド授業と長期履修制度の導入は、文学、経済学、経営学、法学、工学、人間情報学いずれの研究科においても実施される。この機会に、自分の学問的課題と向き合い、専門的知識を身に着け、専門職へキャリアップするために、教員専修免許状、公認会計士、税理士、司法書士、行政書士、社労士、データサイエンテスト、公認心理師などの各種資格取得を目指してもらいたい。

(詳しくは、来年度の大学院紹介、7月には出まわる入試要項をご覧いただきたい)