地域と共に生き、地域と共に考える
今日は、東北学院大学ならではの地域教育科目の担当教員と学生が学長室を来訪し、日頃の勉学の成果を披露してくれた。
東北学院大学では、6年前に文部科学省「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」(COC+)の主管校として採択されて以来、地域教育科目というユニークな授業が全学部生を対象に展開されている。1年次には、「震災と復興」、2年次には「地域の課題」、3年次には「地域の課題演習」という科目が配置され、学生は、学部のいかんにかかわらず、履修できることになっている。
(フィールド調査報告書を手に、学生の報告を聞く、右手は担当教員の本間先生と千葉先生)
今日は、その中でも、「地域の課題演習」を履修し、優秀なフィールド調査報告書を提出した3年生3人がそれぞれ、五橋の新キャンパスや土樋キャンパスに近い、荒町商店街でのフィールド調査の成果を聞かせてくれた。コロナ禍の今年度は、対面での聞き取り調査は困難を極めた。学生たちは、zoomやgoogle driveで教員や学生同士で参考文献など情報の交換を図り、周到に準備したうえで、荒町商店街の人びととネット越しにインタビュー調査に臨んだという。そこには、現場へ機材を運んだ教員の労苦も見逃せない。最後に、少人数で商店街に出向き、課題意識と解決策の確認を済ませて、フィールド調査報告の作成に至った。
(製本済みの調査報告書、東北学院大学地域連携センター提供)
荒町商店街は、江戸時代は麹の製造で栄えた街である。仙台の中心部では珍しく開発の波を免れたようなところがあって、日本酒、味噌の醸造元をはじめ、喫茶店、古着屋、エスニック食材店、ラーメン店などサブカルチャルな街並みが残っている。今回の授業のテーマは「荒町商店街活性化に資する事業提案」であり、伝統を活かしながら商店街の再生を図る提案がなされた。2年後に迫ったキャンパス移転によって、この街がどう変容するか楽しみでもある。最後に荒町商店街との最近のコラボレーションを聞いてください。
https://www.tohoku-gakuin.ac.jp/info/top/210208-1.html
(左から、若生さん、大山君、佐藤君。若生さんは、看板に注目して「観光ルートマップ」を構想し、大山君は、毘沙門天に注目して「子育てまんじゅう」の復活を、佐藤君は町民文化から「アートの街」を提言している。3人とも調査の手法をこの授業で大いに学んだという)