東日本大震災10年追悼礼拝
東日本大震災から10年が経過した。東北学院は、最大マグニチュード9.0の未曽有の大地震と沿岸部を襲った巨大津波によって、大学生5名、中高生2名、入学予定者4名の若い命を失った。また勤務員のいく人かは、愛する家族の命を奪われた。当日、私は東京にいたが、その後の東京電力福島第一発電所の事故も重なり、東日本大震災が東北の人びとにもたらした悲しみや苦しみは窺い知れないほど大きなものがある。
(多賀城キャンパス礼拝堂の内部)
今日は、工学部、幼稚園がある多賀城キャンパス礼拝堂において、東北学院10年追悼礼拝を挙行した。10年前のあの日は、雪の舞う寒い日であった。巨大津波は多賀城市の中心部まで押し寄せ、キャンパスから530メートルの近くまで迫った。衣服を濡らし、凍えたまま多くの市民が小高い丘の上にあるこの堅牢な礼拝堂に避難した。その数は一時600人に達し、職員や学生は、不眠不休で避難してきた市民の世話に奔走した。
(当日の状況について証言する日野哲理事)
イエス・キリストの父なる神よ。東日本大震災が人々にもたらした悲しみや苦しみを覚え、慰め、その悲しみや苦しみに耐える力を与えてください。その忍耐から、教育や研究、社会貢献を通じて、近年頻発している自然災害や感染症に対して生きるすべである人格や知性、技量を身に着けることが出来ますように。その練達から、命を慈しみ、命あるものが共に生きることを喜ぶことができるような希望が与えられますように。
アーメン
(礼拝堂2階席上にある円形のステンドクラスのテーマは天地創造)