文字通りの「師走」
今年の年の瀬は、コロナ禍により例年とは異なることが多いのではないだろうか。 大学は、クリスマスから冬期休暇に入ったが、私は、28日(月)にも出校し、学内の会議を主宰し、午後からは4時間かけてオンライン学長セミナーのアドバイザーまで担当することになった。
このセミナーの主催者は、東京大学大学院教育学研究科大学経営・政策コースであり、同大学の両角亜希子准教授がコーディネーターである。教育学といえば、倫理主義、理想主義志向の強い学問のように思われるが、このセミナーは徹底的に現場志向であり、参加者は全国の大学の学長30名である。
セミナーのテーマは「学長と理事会のあり方」であり、私を含めて6名のアドバイザーが発表し、それを受けて、30名の学長がそれぞれのアドバイザーのもとでデスカッションをした。周知のように、現在大学の運営は、大きな曲がり角を迎えている。国・公立大学では、学長の選任をめぐって意見が分かれ、私立大学では、理事長・理事会のガバナンスの責任が問われている。その中にあって、主に教学を担当する学長と経営を担当する理事長・理事会はどうあるべきか、年の瀬にもかかわらず、議論は大いに盛り上がった。
折しも、IDE大学協会の月刊誌『IDE現代の高等教育』2021年1月号が手元に届いた。こちらの方のテーマは、「ニュー・ノーマルをどう築くか」であり、東北地区からは、私以外に、東北大学大野英男総長、国際教養大学鈴木典比古理事長・学長が寄稿している。「師走」(しわす)とは誰が名付けたか知らぬが、年の瀬まで多忙な研究者や教師を表現する言葉としては、なんとも云い得て妙な響きがある。
来たるべき2021年が、COVID-19収束(終息)の年となりますよう。