「乗りと勢い」の硬式野球部

「乗りと勢い」の硬式野球部

スポーツ観戦好きなので、高校野球、プロ野球を時々観戦するが、野球の観戦でこんなに感動したことがあっただろうか。国見の東北福祉大学球場で開催された仙台六大学の東北学院大学対東北福祉大学の最終戦は、最後の一球まで眼を離せないハラハラドキドキの試合展開となり、勝利の女神は本学硬式野球部に微笑んだ。

(エースの経済学部4年堀川大成投手。キャプテンの教養学部4年田村虎河捕手とのバッテリーはピンチにも強い)

 

東北福祉大学硬式野球部といえば、仙台六大学の優勝常連校であり、全国大学野球選手権大会優勝4回を数え、佐々木主浩、矢野燿大、金本知憲、和田一浩等々のプロ野球界の名選手を輩出してきた。今年度も、春のリーグ戦で優勝し、その後東京で開催された第74回全国大学野球選手権大会の優勝チームである。その全国一の強豪チームを相手に、2017年以来16シーズンぶりに2勝1敗で勝ち点をもぎ取った。

(応援席の硬式野球部員たちは連日大いなる盛り上がり)

 

本学もかつて1980年頃までは仙台六大学野球の優勝常連校であったが、東北福祉大学の躍進により、優勝からしばらく見放されてきた。最近では、2012年の秋のシーズンに優勝したのが最後である。私は、2019年に本学に着任したが、東北福祉大学、仙台大学に次いで万年3位である状態を何とかしたいと考え、2023年2月の学長ブログでも取り上げたが、2023年4月より本学法学部・硬式野球部出身で読売巨人軍捕手、埼玉西武ライオンズ、東北楽天イーグルスでコーチを務めた星孝典氏を硬式野球部の監督に招聘したのである。大学体育会は正課外活動であるとはいえ、人格教育の場でもあるので、監督からすぐれた人間性、戦術や技術を学び、教育力に溢れたチームを作ってほしかったからである。

(アンダースローの情報学部2年小野涼介投手。小野君の成長も大きな支えだ)

 

それから6シーズン。硬式野球部の試みは実を結びつつある。全国各地からの優秀な選手を擁する全国覇者の東北福祉大学を相手に、東北・北海道地区から集まった本学の選手たちが臆することなく堂々と戦いを挑み、ピンチの折には、監督自らがマウンドに歩み寄り緊張した投手の気持ちをほぐす、そのようなチームが出来つつある。星監督は「乗りと勢い」が本学硬式野球部のモットーだと試合後のインタビューで語っていたが、もう一方の強豪校仙台大学にはストレートで勝ち点を挙げたとはいえ、慢心することなく、「乗りと勢い」で13年ぶりの栄冠に輝いてほしいものである。