岩手県の旅行アプリの開発

岩手県の旅行アプリの開発

本日の学長表彰は、「岩手もりおか学生デジタルアイデアコンテスト2024」において、最優秀賞を受賞した教養学部情報科学科4年の岩上鈴実さんと栗原楓夏さんを表彰した。当時3年生であった2人と岩手県立大学4年生の菅原千寛さんのチームが、応募作品45チームの中から選ばれて、見事最優秀賞に輝いたからである。

(教養学部情報科学科4年の岩上さんと栗原さんに学長表彰の賞状と副賞を贈賞する。左が岩上さん。右が栗原さん)

 

事の発端は、2023年にニューヨークタイムズ紙が、世界で行くべき52か所において、ロンドンに次いで盛岡市を選定したことに始まる。岩上さんは青森県の出身であるが、このニュースに刺激され、旅行アプリを作成して「岩手もりおか学生デジタルアイデアコンテスト2024」に応募し、岩手県にインバウンドを呼びこみたいとの思いに駆られた。ゼミ仲間の栗原さんを誘い、指導教授の高橋秀幸准教授(専門はIoT、エージェント)に相談したところ、菅原さんを紹介された。3人の共同作業は、zoomを通じて、スピード感をもって旅行アプリ開発に向かう。2か月間、岩上さん、栗原さんと専門分野の異なる菅原さんが毎週アイデアを持ち寄って長時間話し合い、具体的なアプリの構想を練り上げた。さらに、構想したアプリは、授業で学んだプログラミングを活かして、岩上さんを中心に2か月間で開発したという。3人のチームワークと集中力に賛辞を送りたい。

(左がゼミの指導教授の高橋秀幸准教授、右が学生部長の高橋信二教授)

 

この旅行アプリはなかなかの優れものである。旅行する地域の情報、観光名所の知識、散策時間、当日の天候・温度に応じて観光プランを提案することができ、さらには、岩手県のオープンデータを活用し、お手洗い、避難所、AED設置場所などの表示も可能である。もはや紙媒体の旅行ガイドは必要なくなったといえる。文字通り「書を捨てよ。町に出よう」である。高橋准教授によれば、実用化には、広域の地理情報の情報処理が可能なリソースが必要なため、県や企業によるより多くの投資を必要とするが、その第一歩を確実に踏み出したアプリの開発である。東北の課題解決のために若い知性が成長していることを率直に喜びたい。