教員のFD研修

後期授業の開始を目前にして、今日は東北学院大学のFD研修会が開催された。FDとは、ファカルティ・デヴェロップメントの略称で、教員が授業内容・方法を改善するための組織的な取り組みのことである。対面とzoomでほぼ全員の教員がこのFD研修会に参加した。前期授業は、新型コロナウイルス感染症防止のために、連休明けから原則オンライン授業を実施したが、教員や学生にとってなにせ初めての経験であった。

(冒頭の学長あいさつ)

東北学院大学は、連休明けからの原則オンライン授業の実施を決断するさいに、各学部の学部長から異口同音に「一人の学生も迷うことなく」という言葉が発せられ、これを合言葉にオンライン授業を遂行してきた。この言葉は、「迷い出た羊」を大切にするという聖書の教えを連想させる。「ある人が羊を百匹持っていて、その一匹が迷い出たとすれば、九九匹を山に残しておいて、迷い出た一匹を探しに行かないだろうか。はっきり言っておくが、もしそれを見つけたら、迷わずにいた九九匹より、その一匹のことを喜ぶであろう」(マタイによる福音書18章12-13節)。建学の精神であるとともに、学院のキリスト教教育の長い伝統の中で培われた「個人の尊厳」を大切にする気風である。

(学長室IR(インスティテューショナル・リサーチ)課の齋藤渉課長補佐による学生アンケート調査分析結果報告)

実際、大学は、同時進行型の授業にかんしては、同時会議システムであるzoomを導入し、セキュリティを強化。多人数授業にかんしてはこれまで使っていた学修管理システムmanabaの負荷軽減に注意して、一度もシステム障害を起こすことはなかった。他方、教職員は、遠隔授業実施サポートチームを自発的に結成。授業マニュアルを作成、何度も改訂しながら、互いに相互切磋し合うことにより、オンライン授業の向上を図り、PCやwi-fi環境の整わない学生を対象に一人残らず端末やルーターを貸与、オンライン授業を遂行してきた。

(学務部長加藤健二教授による教員アンケート調査分析結果報告)

明日からの後期の授業は、感染症防止対策を施したうえで、学生のキャンパスでの成長を期待して対面授業を実施すると同時に、多人数教室や感染症を懸念する学生や教員はオンライン授業も実施するというハイブリッド方式を採用することにした。「一人の学生も迷うことなく」大切にという東北学院大学の良き伝統をウイズ・コロナの現在はもちろん、ポスト・コロナの未来にも貫いていこうではないか。