ダブルメジャー大学院、障害学生の就労移行
学内で学外者をお呼びした大きなイベントがあり、挨拶のためにキャンパスを行き来した。一つは、五橋キャンパスで行われた「大学院経済学研究科経済データサイエンス専攻設置に伴う公開座談会」であり、もう一つは、土樋キャンパスで行われた「障害学生支援と就労移行に関する情報交換会」(仙台会場)である。
公開座談会は、6月に認可されたダブルメジャーの新専攻、すなわち、「経済データーサイエンス」(修士課程募集4名)の門出を飾るものである。新専攻は、自治体や企業、地域の課題に対して、EBPM(Evidence Based Policy Making)、すなわち、これまでのように経験や勘に頼るのではなく、データや合理的根拠に基づいて、大学院における学びや報告を通じて解決策を提供することを目的としている。もちろん、経済分析の方法の学びと情報処理技術の学びが必要であるが、その方法や技術を実際に用いて、現実の課題を解決することを目指している。そのためには、地域の産・官・学・金・マスコミの連携が必要ということで、それぞれ第一線の方々に抱負や期待を語ってもらうことにした。産業界からは(一社)宮城県情報サービス産業協会阿部嘉男会長、官界からは仙台市木村賢治朗経済局長、学界からは本学の倉田洋大学院ダブルメジャー制度実施委員長、金融界からは(株)七十七デジタルソリューションズ加藤雅英代表取締役社長、マスコミからは(株)河北新報社安野賢吾編集局長である。座談会の要旨は今月下旬の河北新報の紙面に掲載される予定である。リスキリング、リカレントとしてダブルメジャーの修士号の取得を目指している社会人に奨学金も用意している。
情報交換会の方は、東京大学PHEDと京都大学HEAPという障害学生支援組織の共催により全国各地で開催されている大学や企業との情報交換会の仙台会場を東北学院大学が3年連続で引き受けてきたというものである。近年大学おいては、身体障害のみならず、発達障害、精神障害の学生たちが増大している。課題は、そのような学生たちを卒業に導くだけではなく、いかに社会に出て、働くことのできる環境を提供し、活躍してもらえるかという点にある。今回、東京大学、京都大学、(株)積水ハウスからの報告があったが、3年目にして、東北学院大学からも清水貴裕学生健康支援センター長により、本学の就労支援の取り組みについての報告もなされた。この課題については、学内における学部、学生部、学生健康支援課、就職キャリア支援課の結束が必須であり、卒業生を受け入れてくれる自治体や企業との連携が求められる。今年も東京大学PEADの近藤武夫教授からは、障害学生の就学、就労環境を改善するための様々な器具を展示し、説明していただいた。教職員の熱意、技術改善、自治体や企業との連携を通じて、障害学生が学びやすく、働きやすい社会を実現していきたい。
(意見共有のためのグループセッションの様子)