泉キャンパス音楽堂オルガン移設披露演奏会

泉キャンパス音楽堂オルガン移設披露演奏会

芸術の秋である。今日は泉キャンパス音楽堂において行われたオルガン移設披露演奏会で挨拶し、大学オルガニスト今井奈緒子教授による演奏に耳を傾けた。泉キャンパス音楽堂というのは、旧泉キャンパス礼拝堂のことである。五橋キャンパス開学の際に、礼拝堂にあったフランス・アルフレッドケルン社製パイプオルガンが押川記念ホールに移設されてからはオルガンはなく、いわば「もぬけの殻」状態であった。この度、売却した多賀城キャンパスの礼拝堂からドイツ・カールシュッケ社製オルガンの移設工事が完了、音楽堂としてめでたく移設披露演奏会の開催となった。

(多賀城キャンパス礼拝堂では、講壇左側の2階バルコニーにあったオルガンだが、泉キャンパス音楽堂では講壇左側に直に設置され、耐震に配慮されている)

 

移設工事は、(株)藤吉オルガン(藤吉正吾代表)を中心とするオルガン職人の方々によって行われた。総数1000席の多賀城キャンパス礼拝堂から総数1200席の泉キャンパス音楽堂への道のりは、天井の高さや建物の広さが異なり、苦労は絶えなかったのではなかろうか。今日の演奏会には、泉キャンパス近隣の200名近くの市民の方々が来場され、バッハやメンデルスゾーンをはじめとする楽曲の演奏に聴き入り、その多くの方々は以前のオルガンと新しいオルガンの音色の違いや、新しいオルガンとこの音楽堂とのマッチングに関心を寄せていたように思われる。

(2004年のオルガン購入の際にカールシュッケ社から贈呈されたツィンベルシュテルン。右下のストップにより星の音を奏でると、クルクル回る)

 

多賀城の礼拝堂において工学部の学生や教職員に愛されてきたこのオルガンは、13年前の東日本大震災の折に、礼拝堂に避難してきた数百人の方々のリクエストにより、避難を終える際に演奏され、喜ばれたという。これからは大学の演奏者や泉キャンパス近隣の市民、そして来年度からは、旧大学2号館に移転する榴ケ岡高校の礼拝に供することによって、同校の生徒や教職員に愛されることになる。広大な緑地と施設を誇る泉キャンパスは、榴ケ岡高校の移転、プロサッカーチームベガルタ仙台の練習場やクラブハウスの開設と大学・高校との教育連携、そして音楽堂へのオルガン移設によって、着々と再開発が進行しつつある。

(泉キャンパス音楽堂には、キリスト教美術家田中忠雄(1903-95)製作のステンドグラスが9面配置されている。写真は中央にある幅360㎝、高さ1066㎝の「昇天」)