東北学院に押し寄せる第3の波―大学院新専攻の認可と理系新学部への支援の採択

東北学院に押し寄せる第3の波―大学院新専攻の認可と理系新学部への支援の採択

先週、文部科学省から嬉しい知らせが相次いだ。一つは、大学院経済学研究科に来年4月からおもに社会人のリカレント・リスキリングの機会として開設する「経済データサイエンス専攻」修士課程(各学年4名)の設置届出が受理されたこと、もう一つは、2027年度開設を予定している理系新学部「未来探究学部未来探求学科(仮称)」(各学年110名)が、大学・高専機能強化支援事業(学部再編等による特定成長分野への転換に係る支援1)に採択されたことである。「経済データサイエンス専攻」については、このブログでも紹介したように、2022年度「デジタルと掛けるダブルメジャー大学院教育構築事業―Xプログラム」に全国で採択された6校のうちの1校であったが、来年度から経済学とデータサイエンスのダブルメジャーの新専攻として日の目を見ることができた。「未来探究学部」は、デジタル技術で東北地域の諸課題に挑む人材を養成することを目標に掲げ、新学部で修得した経験・知識・技能を通じて、問題の発見力、課題解決の実行力を養い、社会のイノベーションに貢献する学生を育てることを目的としている。

(届出認可を受理された大学院経済データサイエンス専攻の構想図。この図から「仮称」、「計画」の文字が消え、いよいよ院生募集が始まる)

 

3年間に亘るコロナ禍は、IT技術の力により社会の様相を大きく変える契機となった。東北学院大学においても、2020年度からBYOD(学生のPC持参)に切り替わり、遠隔授業(zoomやオンデマンド)により授業を遂行出来た。五橋新キャンパスの開設と同時に「情報学部データサイエンス学科」(各学年190名)を設置し、文理融合キャンパスとして、数理・データサイエンス・AI教育プログラム(MDASH)を全学的に実施し、2021年度からMDASHのリテラシーレベルに認定され、そして今年度から来年度にかけては応用基礎レベルの認定を目指している。学修成果の可視化という点では、学生自身が目標を掲げ、振り返りをする「TGフォリオ」という学修ポートフォリオを2023年度から導入した。

(コロナ禍、ポストコロナで利用されているオンライン授業教室。黒板の機能とオンラインで出席している学生の表情がモニターに映る仕組である)

 

私は、ポストコロナを牽引する情報化の波を、東北学院138年の歴史の中における第3の波の到来ととらえている。第1の波は、開国日本に迫るウェスタンインパクトへの対応としての仙台神学校、そして5年後の東北学院(North Japan College)の創立。キリスト教教育を施す高等教育機関を創立することによって、開国の波を受け止めた。第2の波は、戦後新制大学における英語教育である。学院が誇る多くのネイティブスピーカーの教員、LL教室等のすぐれた施設は、「英語の東北学院」のブランド力を東日本全域に浸透させた。そして、今回のポストコロナに顕著な高度情報人材の育成である。校祖や先人たち同様、真剣に時代や地域の課題と向き合っていくつもりである。なお、「経済データサイエンス専攻」には、多忙な社会人のために一人30万円の給付型奨学金が用意され、入試は9月14日(秋季)と2月13日(春季)に実施、2回受験のチャンスがある。詳しくは、2025年大学院募集要項をご覧いただきたい。https://www.tohoku-gakuin.ac.jp/admission/graduate/files/guide.pdf