18歳人口の減少と大学入試

18歳人口の減少と大学入試

一般選抜入試が始まった。東北学院大学は前期日程を2月1日、2日の両日、そして後期日程を3月5日に実施する。志願者は、一般入試前期日程・大学入学共通テスト・東日本地域別スカラシップ併せて11,327名(競争率8.7倍)であり、新キャンパスの開学、新設4学部の開設と、なにかとマスコミを賑わせた昨年と較べて3%の減少となった。

(今年から一般入試の仙台会場となった五橋キャンパス。都心に位置し、仙台駅地下鉄一駅直結なので、交通渋滞、遅刻の心配もなくなった)

 

今日大学が直面している課題は日本の18歳人口の極端な減少である。大雑把にいえば、今世紀の初頭に約150万人いた18歳人口は、2022年に112万人に減少し、コロナ禍には出生者が80万人を切ったので、2040年には70万人台に急降下することになる。なんと40年間で半数近くまで減っていくのである。私の専門は経済史だが、21世紀の前半は、いまのところ戦争もないのに「人口半減期」として特筆されることになるだろう。

(受験生は講義棟一棟に収容できる規模であり、受験環境が均質化され、効率的に入試が実施できるようになった)

 

また本学学生の出身地の多くを占める東北6県の18歳人口についていえば、2022年に7万8千人台であったが、今年の2024年には、7万1千人台に急降下した。これから数年間7万人台が続くものの、10年後の2034年には6万2千人台にまで落ち込む。2022年から2034年の間に全国の18歳人口が約11%減少するのに対して、東北6県の18歳人口は約18%減少し、全国一の減少率である。

(入試部長として、在仙の報道機関に応対する牧野悌也情報学部教授。入試の時期になると、お茶の間でよく見かけると評判の丸いメガネの優しい先生でもある)

 

これだけの勢いで少子化が進行すれば、大学進学率が多少なりとも上昇しようとも、定員割れはもちろん、募集停止の大学が多く出てくるはずである。大学は、18歳人口に「選ばれる大学」であることを目指すとともに、「少子化を食い止めるための防波堤」としての役割を、とりわけ、人口減少の激しい地方において果たさなければならない。