小さなクリスマスツリー

小さなクリスマスツリー

晩秋も足早に過ぎ去り、気がつけば師走である。ハロウィンが終わるや、街角では、すでに美しいクリスマスの装飾が施されている。教会暦によれば、昨日の日曜日からアドベント(待降節)に入り、クリスマスの準備が始まる。教会の会堂には、5本のろうそくが立てられ、これから日曜日ごとに1本、また1本とろうそくに火が灯される。そして、5本目は、クリスマスイブに灯され、私たちはクリスマス(降誕節)を迎える。

(フラワーアレンジメントの小さなクリスマスツリー。高さ25㎝ほどで、応接セットの真ん中に置かれている。孔雀ヒバの葉は色と張りがあり、プラスチック製と勘違いするほどである)

 

街中の大きなツリーとは対照的に、かわいい、小さな生木・生花のクリスマスツリーが学長室に届けられた。実は、毎週季節のお花を届けてくださる生花店からのフラワーアレンジメントである。ご覧のように、小さなツリーは、6種類の花や木からなる。ツリー本体を形成しているのが孔雀ヒバと雪冠スギ。季節の到来を告げる赤い実は、山帰来の実である。山帰来は、サルトリイバラ(猿捕茨)ともいわれ、日本やアジアの山野に自生しているとのこと。その実は食べられないこともないが、野鳥の餌になり、花言葉は「不屈の精神」である。他に、スプレーバラ、カーネーション、菊で装飾されている。

(上から見ると、緑の部分が孔雀ヒバ、黄色い部分が、雪を表現する雪冠スギであることが鮮明に分かる)

 

ニューヨーク五番街のロックフェラーセンターの巨大クリスマスツリーや、本学五橋キャンパス、シュネーダー記念館16階建ての窓明かりが表現するもみの木も、多くの人びとに喜びを伝えるのに相応しいが、小さなツリーもまた趣があっていいものである。なぜなら、2000年以上も前にユダヤのベツレヘムという寒村において、最初のクリスマスは、マリヤとヨセフの二人だけで祝われたからである。「平和の君」の誕生である。戦争に傾きつつある世界が平和でありますように。

(昨年供用開始前のシュネーダー記念館に忽然と出現した仙台名物巨大もみの木。今年も18日から一週間光を放つ予定である。愛宕橋方面から撮影)