幼稚園の感謝祭礼拝

幼稚園の感謝祭礼拝

金曜日は院長として、多賀城市にある東北学院幼稚園の感謝祭礼拝で園児たちに話をした。感謝祭は、アメリカ合衆国ではこの時期一大イベントであるが、東北学院幼稚園においても、毎年礼拝が行われている。そもそもこの行事の由来はアメリカの建国物語にある。1620年、イギリス国教会の迫害により祖国を追われ、「良心の自由」を求めて、メイフラワー号で新大陸に上陸したピューリタンたちが、寒さで凍える中、先住民のスクワントからトウモロコシの種をもらい、翌年、その収穫を分かち合い、食卓を共にすることにより、神に感謝したというものである。

(初秋の運動会の時期と異なり、年少から年長まですべての園児たちは落ち着いて話を聞いてくれた)

 

今年は、園児たちが栽培し、収穫した大根やサツマイモが実り、それに園児たちが各家庭から持ち寄ったミカンやリンゴ、玉ねぎなどが並べられた。私は仙台に来て、5年目の秋を迎えたが、東京や横浜では考えられないほどの恵みを受けている。この時期、仙台の店頭に豊富に出回る魚、果物、米、すべてが新鮮で、安く、美味しいのである。世界3大漁場の一つである三陸沖漁場に近い石巻、女川、南三陸、気仙沼の港からは、戻りカツオ、マグロ、サンマが、今年はシャケが不漁だが、先日から牡蠣が食べられるようになった。果物は、青森、岩手、山形、福島の東北各県から、リンゴ、柿、ブドウ、ナシが、とくに今年の山形産のラフランス(西洋梨)は甘くて、フルーティ。米は、宮城産ササニシキの後継のひとめぼれ、そしてつや姫の新米、また山形そばも新そばに変わった。

(園児たちが栽培した大ぶりの大根。皆で抜いたのであろう。帰りがけ、島内園長から、園児たちが栽培したサツマイモをいただいた。感謝である)

 

こんなに食べ物に恵まれている地域は、そうはないであろう。園児たちにも、収穫を神に感謝するとともに、漁や栽培、輸送、販売、そして調理に従事する人びとの勤労に感謝することの大切さを話した次第である。しかしながら、世界では戦争による貧困が、東北・北海道においては、酷暑により木の実を食べられなくなった熊による人身被害が多発している。収穫を神に感謝し、ともに分かち合うためには、どうしたらいいのか、園児に話すことは多い。