大年寺山の「長い石段」
ウォーキングの際には大年寺山の「長い石段」を登ることにしている。大年寺山は、広瀬川と並んでしばしば「学長ブログ」に登場する地名であるが、大学の近くに鎮座する標高120メートルほどの小高い丘である。東北新幹線の車窓からは、仙台市街に3本のテレビ塔が建っている丘としてよく見える。
(大年寺山のテレビ塔。夜間はライトアップされ、街中からも一望できる。ライトアップの色彩で翌日の天気を予報する仕掛けになっている)
地名の由来を示す大年寺であるが、1697(元禄10 )年、第4代仙台藩主伊達綱村が造営し、無尽灯廟など綱村以降の歴代の仙台藩主の墓所を司る名刹である。実は、惣門から続く参道となる「長い石段」は、勾配が思いの外急で、昇り降りが結構きつい。そのため、仙台一高の運動部をはじめ近隣にある中高の部活の生徒たちがトレーニングのためによく利用している。
(国道286号に面した大年寺の惣門。1716年建立の惣門は、仙台市の指定有形文化財)
私もウォーキングの際にはこの石段を一気に登る。その際、上を向くと足が竦むので、下を向いて一歩一歩階段の数を数えながら登ることにしている。私の計測に間違いなければ、「長い石段」は、最初の階段が84段、次の階段が116段の合計200段。それに48段の階段を登って山頂に到着ということになる。登りきると、息を切らし、ひと汗をかくので、有酸素運動としては程よい場所である。下山は、この石段を使わずに、緩やかな散歩コースに切り替えて、四季折々の景色や草花を味わいながらゆっくり降りてくる。ジムに通わずとも、身近な自然を利用して健康な体力を維持できるのは地方都市ならではの魅力である。
(下山の際、旧愛宕橋より望む十三夜の名月。雲が少し掛かっているのがなんとも言えない。よく見ると、広瀬川の水面に映った月影の真ん中に波紋が生じている。これはマガモなど水鳥の仕業である)