ホームカミングデ-、そして校歌が新キャンパスに木霊した

ホームカミングデ-、そして校歌が新キャンパスに木霊した

後期の授業が始まったとはいえ、授業のない土曜日の午後の五橋キャンパスに、多くの同窓生の歌声が木霊した。ホームカミングデーの後、オリエンテーションリーダーTG会の呼びかけにより「TGUリングで校歌を歌う会」が大勢の同窓生の参集により実現した瞬間である。

(じつに大勢の同窓生が駆け付けてくださった。TGUリングが多くの同窓生で溢れんばかりであった。母校に対する期待と愛情を感じざるを得ない)

 

昨年度は、この3月末をもって廃止となった多賀城キャンパス礼拝堂にてホームカミングデーが開催されたが、今年度は、新しく開学した五橋新キャンパス押川記念ホールに多くの同窓生をお迎えすることができた。原田浩司大学宗教部長の司式による開会礼拝の後に、「校歌を歌う会」が控えているということで、東北学院史資料センター名誉所員の日野哲理事から、百年以上も歌い継がれている東北学院校歌誕生の経緯についての講演があった。

(日野理事による講演のスライドから。E.H.ゾーグ作詞作曲、青木義夫訳詞「東北学院校歌」のおり返しの部分。「世の光」という聖書の言葉が歌われている)

 

ホームカミングデーの終了後、参加者はホールの外に出て、オリエンテーションリーダーTG会主催の「TGUリングで校歌を歌う会」が始まった。そもそもオリエンテーションリーダーTG会とは、数ある東北学院同窓会の地域・職域組織とは異なり、これまで長年に亘り新入生のオリエンテーションの際に、新入生をピア・サポートしてきた上級生たちの同窓会組織なのである。私は、オリエンテーションリーダーたちを、「東北学院大学の襷」を毎年つないでくれる駅伝ランナーに譬えるのであるが、校歌の指導、履修方法の指導をはじめ、入学した高校生を東北学院大学の学生に変えるために、働いてくれた元学生たちでもある。

(応援三者トレフレッチェを背に、地上から2階のTGUリングにむけて挨拶する形となった)

 

校歌を歌う会は、このオリエンテーションリーダーTG会との話し合いの中から生まれた。新しい五橋キャンパスに東北学院137年の歴史と伝統を伝えるにはどうしたらいいだろうか。新しいキャンパスに集う現役学生、OGOB、保護者、縁者、法人役員、設置学校の教職員という東北学院関係者の心を一つにするにはどうしたらいいだろうかという問答から、新しい4つの校舎つなぐTGUリングの上で、参加者が手をつなぎ、肩を寄せ合って校歌を歌い、歴史と伝統、心と心をつなごうということになった。

(肩を組んで校歌を歌う法人役員と同窓会役員。私の右隣は今回の「校歌を歌う会」を実施したオリエンテーションリーダーTG会の舘﨑智信会長)

 

校歌は学校関係者の心ひとつにするものである。今年の夏の甲子園では慶應義塾の塾歌が木霊したが、じつはコロナ禍の3年前の夏、東北学院高校が甲子園初出場で、強豪愛工大名電高校に勝利した際に東北学院校歌が全国に流れた。同じ校歌を歌って育った東北学院中高の卒業生、大学の卒業生、榴ケ岡高校の卒業生は、感動のあまり、涙がこぼれたという。校歌を歌う会の実施にともない、応援三者、すなわち、応援団、チアリーダー・デイジーズ、吹奏楽部シンフォニック・ウインド・アンサンブル(SWE)の現役学生にとっても、新キャンパスの屋外での演舞は初めてとなった。最後に、互いに手をつなぎ、肩を組み合って校歌を歌うことで、学院の歴史と伝統が新キャンパスに受け継がれ、参加者の心が一つとなることを祈る次第である。