人流把握による地域の活性化と安心・安全な街づくり

人流把握による地域の活性化と安心・安全な街づくり

酷暑の毎日であるが、大学はようやく夏季休暇に入った。4月からの五橋新キャンパスの開学により、仙台都心の南部地区である土樋・五橋のエリアには1万1千人の学生が集結することになった。昨年度までは土樋キャンパスに4千人の学生しか学んでいなかったので、昼間人口であるが約7千人がこの地区で純増したことになる。市民にしてみれば、都心に若者が多くなったのは結構なことであるが、交通渋滞、地下鉄の混雑、自転車、歩行者のマナー違反など、解決すべき課題が新たに生まれたことも事実である。そこで、本学、仙台市、NTT東日本の3者によるキャンパス周辺の人流把握とデータの利活用に関する連携協定締結式が五橋キャンパス「未来の扉センター」で行われた。

(右から、NTT東日本和田将人宮城支店ビジネスイノベーション部長、同須藤博史執行役員宮城事業部長、郡和子仙台市長、私、梅内淳仙台市まちづくり政策局長、学校法人東北学院原田善教理事長)

 

EBPM(Evidence-based Policy Making)という言葉がある。事実を計測することにより、より実効性があり、未来志向の政策を可能とすることである。今回の連携協定は、人流に関する計測技術をもつNTT東日本が参加して、仙台駅の南側の地区であるが学生が移動する経路において定点観測を重ね、混雑の時間や場所、移動の方向をデータによって解明することを目的としている。それにより近隣地域や仙台市と協力して交通渋滞の解消や地域の活性化、そして災害時への対応を進めていきたい。プレスリリースには、多くの報道機関が集まった。いまや街づくりや地域の課題解決になくてはならないICT、AIなど未来社会、未来都市を切り開く技術が用いられるからであろう。都心型ワンキャンパスを通じて、ともに未来を志向していきたいものである。