2022年度教育功績優秀教員表彰式
今日は、昨年度のベストプロフェッサー表彰式があった。教員の教育活動を評価する場合、様々な観点からの評価が必要なのはいうまでもない。たとえば、各学期末に実施される「授業改善のための学生アンケート」だけで評価するのは、学生の意見のみが反映されるので、公平ではないという意見がある。確かに傾聴に値する意見ではあるが、授業は学生を相手になされるのであって、まずは、授業を受けている学生の意見に耳を傾ける必要があるのではないだろうか。学生は評価者として信頼できないというのであれば、教員はどのようにして、自分の授業を改善することができるのだろうか。
(文学部英文学科那須川訓也教授の表彰状を読み上げる。教授は学問的に本学英文学科の伝統を継承する言語学の権威であり、ベストプロフェッサーにも毎年のようにノミネートされている)
そこで、本学はベストプロフェッサーを選ぶ際に、「授業改善のための学生アンケート」において前年度特定担当科目について評価4.75以上(満点5)の教員をまず候補者としてノミネートし、そのうえで、学生からの一方的な評価のみで決めるという事態を回避するために、以下の4項目を評価に加えることにした。すなわち、1)教員の業務活動報告書における教育改善の進捗状況、2)前年度における「授業改善のための学生アンケート」の結果と当該年度における大学要覧(シラバス)の整合性、3)前年度における全担当科目のGPAの分布状況、4)前年度における全担当科目に関する「授業改善のための学生アンケート」の評価点。
(上段は、私と中沢正利副学長(点検・評価担当)。下段は、今回表彰された右から、外国語教育センター阪口慧助教、国際学部国際教養学科アンドリューズ・デール教授、人間科学部心理行動科学科神林博史教授、文学部教育学科清水遥准教授、そして文学部英文学科那須川訓也教授)
その結果、7名の教員がベストプロフェッサーとして選出され、本日5名の教員を昨年度の教育功績優秀教員として表彰した次第である。高等教育機関に籍を置く大学教員にとって、教育活動である授業は、研究成果の発表という本業が成り立って初めて担うことのできる活動である。そのため、教育活動はどうしても軽視されがちであった。しかしながら、初学者である学生にとっては、知的好奇心を駆り立てられ、充実した授業こそが、大学で得ることのできる価値のある活動であり、未来の研究力を生み出す知的な出発点でもある。東北学院大学は、大学の教育力を重視する立場から、今年度からベストプロフェッサーの枠を拡大し、各学科から1名をノミネートする方式へと転換する。来年の今頃はより多くのベストプロフェッサーが選出されるはずである。