こけら落としパイプオルガンコンサート

こけら落としパイプオルガンコンサート

五橋キャンパス押川記念ホールにパイプオルガンが移設されたことを記念して、こけら落としコンサートが5月18 日に開催された。泉キャンパス礼拝堂から押川記念ホールに移設されたオルガンは、1989年にフランスの名工ダニエル・ケルン師が制作し、日本に初めて設置したフレンチ・クラシカルタイプのオルガンである。この度、都留裕幸氏をチーフとする日本人技術者、補助者14名とフランス人職人4人の手によって、9か月かけて移設された。2021年3月の私のブログにも記したが、移設には多額の費用が掛かかるため、学院関係者、同窓生、そして市民にも呼びかけて寄付と募り、感謝のうちにこの日を迎えることができた。

(拍手喝采を浴びてパイプオルガンの前に立つ今井教授。ソロは、N.de グリニ、J.S.バッハ、C.フランクの曲が演奏された)

 

当日のオルガン奏者は大学オルガニストで、本学が誇る世界的なオルガン奏者今井奈緒子教授であり、こけら落しコンサートということで、仙台フィルハーモニー管弦楽団、指揮者の鈴木秀美先生、本学卒業生でソプラノ歌手の鈴木真衣氏が共演してくださった。

(今井教授、仙台フィルハーモニー管弦楽団、指揮者の鈴木秀美先生、ソプラノ歌手の鈴木真衣氏の揃い踏み)

 

私は主催者を代表していささか緊張気味に開会の挨拶をしたが、コンサートが進むにつれて、残響音のないホールにおけるパイプオルガンの透明な響きに心奪われ、フィナーレは、サンサーンスの交響曲第3番のオルガンと管弦楽の協奏に熱狂して至福の時間を過ごすことができた。ヨーロッパの名門大学では、有名な指揮者と交響楽団が学内でしばしば演奏会を開き、研究者は交響曲を聴いたのちに、また研究に没頭できる幸いに預かることができるが、本学においてもそれが実現できたと思うと感無量である。押川記念ホールでは、学期中は毎朝10時20分より大学礼拝が行われるが、仙台都心、地下鉄直結、パイプオルガン付設1000人収容ホールが今後とも有効に活用されることを願っている。