4年ぶり一堂に会しての卒業式

4年ぶり一堂に会しての卒業式

2022年度の卒業式が3月23日にゼビオアリーナ仙台において挙行された。一応念のために2回に分けたが、卒業生が一堂に会しての卒業式が挙行されたのは私が着任した年の2019年度が最後なので、実に4年ぶりのことである。

(ゼビオアリーナ仙台はプロバスケットボールチーム89ERSのホームスタジアムであり、換気も素晴らしい。保護者の皆様も2階席から出席できた)

 

新型コロナウイルス感染症の拡大は高等教育においても甚大な爪痕を残した。この3年間は、感染拡大防止のために、代表者のみによる卒業式を余儀なくされ、卒業式に卒業生が一堂に会することができなかった。こうした非日常的な出来事は、太平洋戦争や東日本大震災以来のことである。

(2回目卒業式の卒業生総代教養学部情報科学科雲然公之(くもしかり・まさし)君の答辞)

 

今回卒業する学生たちは、小学校高学年で東日本大震災を経験し、おそらく震災の記憶を留めている最後の世代であり、学生時代の4分の3はコロナ禍での生活を強いられた世代でもある。学長告辞において、学士号、修士号、博士号を取得した2620名の卒業生に対して、本学出身の芥川賞作家佐藤厚志さんの受賞作『荒地の家族』を引き合いに出しながら、苦しみを経験しているからこそ、苦しみにとどまらないで、東北学院大学のLIFE LIGHT LOVEというスクール・モットーをマインドマップとして、より強く知恵のある者としての生き方をしてほしい旨の話しをした。これから長い人生の旅路につく卒業生たちに祝福と励ましがありますように。

(卒業証書の授与は、4月1日に開学式を迎える五橋新キャンパスで行われた。卒業生にとってはよき思い出になるであろう)