ユニヴァ-シティ・アイデンティティ再考
本日は、私立大学連盟第224回総会出席のために東京出張である。会場は、早稲田大学大隈庭園に隣接したリーガロイヤルホテル東京。会場へ行く途中、早稲田大学構内を突き抜け、キャンパスを象徴する大隈講堂を経由したが、そこで2つの早稲田大学グッズのショップに立ち寄ることができた。
(名前からして、創立125周年を記念して創設されたことがよくわかる。緑豊かな大隈庭園を見ながらのランチとグッズの購入は大学のイメージを高めるはずである)
一つは、大隈庭園に隣接するUni Shop & Café 125。もうひとつは、大隈講堂の向こう側にあるASICS CAMPUS STORE WASEDAである。前者は、海外の大学、博物館、美術館、大聖堂などによくあるタイプで、カフェでの食事とグッズの購入の両方が楽しめる。後者は、早稲田大学体育会のユニフォームをアシックスが商品化して、それを販売するためのショップであり、新しい試みだといえる。
(店頭には、テディベアならぬ早稲田ベアの特大ぬいぐるみが並ぶ。創立125周年を記念して、同大学OBの漫画家弘兼憲史氏によってデザインされた)
このところ、対青山学院定期戦、対北海学園定期戦と体育会の試合が続いたので、応援団やチアリーダーたちによる校歌や応援歌、エールの交換を聴いて、ユニヴァ―シティ・アイデンティティによって学生たちが成長する姿を見てきた。自らの帰属意識を高め、勉学であれ、スポーツであれ互いに競い合うことによって成長することは大切である。
(こちらは、アシックス製のユニフォーム、スポーツウエアの店。私自身も中学時代、アシックスの前身オニツカ・タイガー製の卓球シューズやバスケットボールシューズを愛用し、離せなかった)
プロテスタント・キリスト教の大学では、どちらかというと「見えないものに目を注ぐ」心の教育が大切にされ、人物であれ、物事であれ、それらを偶像視したり、それらに束縛されないことの重要さが説かれてきた。しかしながら、個々人の心の中にあるユニヴァーシティ・アイデンティティをいかに分かりやすく可視化し、共有化するような努力がなければ、キリスト教教育の伝統の継承も難しいのではないだろうか。目に見えるものを偶像視するのではなく、それぞれの心の中にあるものを可視化し、共有化し、そこから心の自由や創造的破壊の力を養う。キリスト教大学の真価が問われている。