韓国の交流協定2大学訪問
東北学院大学は、海外に41の交流協定大学をもっている。ヨーロッパ13校、東アジア12校、北米8校、東南アジア5校、オセアニア2校、南アジア1校である。そのうち、頻繁に行き来しているのは、むろん距離的に近い東アジアの大学であるが、今回は仙台市の姉妹都市である全羅南道の州都光州(カンジュ)広域市に所在する私立の朝鮮大学校と国立の全南大学を訪問し、学長を表敬訪問してきた。
(朝鮮大学校金学長と協定書交換後、本学からの土産「鳴子のこけし」を謹呈する)
アジアモンスーン気候の韓国は、東北地域同様梅雨の季節であったが、幸い大きく降られることはなかった。初めに訪問した朝鮮大学校は、昨年交流協定を締結したばかりの大学であり、金春成(キム・チュンソン)学長と「学生交換に関する協定書」への署名と協定書を交わしてきた。同大学は、日本による植民地支配からの解放直後の1946年に創立され、16の学部に19300人余りの学生を擁する同市最大の私立大学である。創立の際に、市民の高等教育への思いは強く、7万7千人が発起人となり、夜間大学から始まった文字通り民間の大学である。今回、渡辺祐子国際交流部長と同大学との交流を仲介した李相勲(イ・サンフン)工学部教授が同行したが、朝鮮大学校は私たちを暖かく迎え入れてくれ、共同研究の提案までいただいた。
(全南大学の学内には、東北学院大学訪問団一行を歓迎するデジタルサイネージがあちこちに)
もう一つの訪問校全南大学校は、地域を代表する国立大学である。大学設置は1952年であるが、創立は1909年まで遡る。韓国民主化運動で有名な金大中大統領は同大学の前身校の出身であり、1980年の軍隊と民衆の衝突である光州事件のさいには、同大学は大きな役割を果たし、それを記念する展示館が設置されている。本学とは、2018年に交流協定を締結し、この間、同大学から本学へは14名、本学から同大学へは10名、それに短期留学6名を加えると40名が留学している。李根培(イ・グンべ)学長への表敬訪問の際、李学長は、韓国政府がソウル大学を含む全国10の国立大学をソウル大学並みにすることを発表し、15の成長産業を結びつつけて、韓国が世界の5大強国を目指すと説明された。全羅南道は韓国で最も開発の遅れた地域であったが、この計画により光州特別市と全南大学は、サムスンとSKハイニックス提携して、AI都市宣言をして、韓国最大の投資を呼び込むとのことである。大学、自治体、企業との連携、産官学連携が確実に進行している。
(全南大学デジタル図書館の内部。ほかに語学センターを見学したが、学生と留学生の教育を一手に集約して、教育に当たっていた)
今回、久しぶりにお隣の国韓国を訪問して、変化のスピードが速い韓国と、遅い日本の違いを感じた。韓国の国立10大学への投資は、韓国の大学生が多数ソウルの私立大学に進学して、地域の国立大学の衰退が露呈してのことである。日本では、地方国立大学よりも地域に貢献し、実績を残している私立大学がある。国情の違いを十分踏まえて、政策実現を図るべきである。


